紅茶の零しどころ

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牧野由依コンサートライブ『WILL you play with me?』感想

11ヵ月ぶりの開催となった牧野由依さんのコンサートライブに両日参加して来ました。その11ヵ月前を知る内の一人として、今回のコンサートライブの感想を記していきます。

 

ポッカサッポロ 富良野ラベンダーティー Presents YUI MAKINO CONCERT LIVE『WILL you play with me?』2018/6/9 - 10

セットリスト

Day1 

1. song for you

2. ウイークエンド・ランデヴー

3. お願いジュンブライト

4. 星に願うなら

5. スピラーレ

6. アルメリア

7. 横顔(Acoustic ver.)

8. What A Beautiful World

9. ソナチネ 第1番 第1楽章, 第4楽章(モーツァルト)

10. ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)

11. Reset

12. もどかしい世界の上で

13. アムリタ

14. secret melody

15. Colors of Happiness -Rainbow Mix-

16. 囁きは"Crescendo"

17. ワールドツアー

18. ハウリング

EN1. Cluster

EN2. それはきっとボクらしく生きる勇気

 

 

Day2

1. song for you
2. ウイークエンド・ランデヴー
3. お願いジュンブライト
4. ジャスミン
5. スピラーレ
6. アルメリア
7. 横顔( Full Band ver.)

8. アムリタ

9.  雨の日の噴水
10. What A Beautiful World 

11. Reset
12. secret melody

13. Colors of Happiness -Rainbow Mix-

14. Brand-new Sky

15. ふわふわ♪
16. 囁きは"Crescendo"
17. ワールドツアー
18. ハウリング
EN1. Cluster

EN2. それはきっとボクらしく生きる勇気

 

 

圧巻でした。一切の不安は必要ありませんでした。「牧野由依ここにあり」と笑顔で宣誓するかのような2日間、本当に素晴らしかったです。めっちゃ感動したしめっちゃ楽しかった。

ステージの印象としては、喉を壊したあの日からの涙の復帰……と言うより、現時点の持てる最大パワーのパフォーマンスを見せながら、さらにその先の進化を感じさせてくれるように前のめりで果敢に、といった感じのイメージが大きかったです。11ヵ月前のあの日を目の当たりにした人間の心持ちなんかは見事に置き去りにしてくれました。

セトリを見ても構築済みスターターデッキ(環境最強)って感じなので無敵です。最高。褒め方が雑。

 

今回のコンサートライブでいくつか注目するポイントがありますが、その内の一つが2日間の間での楽曲の変遷だと思います。

セトリ上では1日目と2日目で変わっていない曲目も多いように見られますが、実際には1日目と2日目では「何を思ってその歌を歌うのか」という歌唱に対するニュアンスが違っていたりして、同じ曲でも2日間でまた異なる意味合となっている楽曲が見られたのではないでしょうか。

 

特にそれが顕著だったのが『What A Beautiful World』。この曲は一年前のライブで喉を壊して最後まで歌い切ることが出来なかった過去がありました。

1日目、演奏メンバーが全て捌け、ステージ上にはピアノと牧野さんだけがスポットライトに照らされる中、「あの日私は歌い切ることが出来なかった。だから一年前のリベンジがしたい。」と語られて始まる弾き語り。Aメロの歌声が聴こえてきた瞬間に僕は涙ボロボロ。我慢できませんでした。本人は至って快調、というか過去を置き去りにするレベルのパフォーマンスで仕上げて来ていて(ほんまか)、牧野さんの情熱と表現力にただただ圧倒されるばかりでした。色んなことがあって凄く大切な曲なのでこの日リベンジが叶って心から嬉しかったなぁ。

そして2日目。この日、WABWは「クラシックにこんな繋ぎはどうですか?」とのMCを受け、クラシックパートとしてセトリに組み込まれる構成。雨の日の噴水(奇遇にも2日目は雨の中の公演)からの繋ぎで弾き語りが披露されるという1日目とは全く違うアプローチに「やられた…」という感じでしたね。

これに関しては、1日目にあの日の悔恨を全部超えていく前提じゃないとこのセトリは組めないと思うんですけれど、つまりそれは牧野さんにとって結構冒険だったんじゃないかと思いまして。もし僕が本人の立場だったらちょっと怖くて出来なかったかもしれません。失敗のリベンジを果たしたかと思ったら次の日には既にもうその先へと歩み出して行っているんですから素直に脱帽ですよ。演奏も歌唱も凄く心に響きました。

この曲は穏やかなメロディの初動とラスサビの盛り上がりのコントラストがめちゃくちゃ好きです。牧野由依の代表曲としてARIAで有名な楽曲群がありますが、「現在の牧野由依がそれらの楽曲群をセルフオマージュするとしたらこんな曲になるだろう」というWABWのイメージが僕の中にいくらかあるので、スピラーレアルメリアと共に聴くことが出来たのも個人的に嬉しかったかなぁ。

 

そして1日目と2日目で印象がガラッと変わったもう一つの曲、『横顔』。

1日目はその日の演奏メンバーをはじめ、高校からの同期たちが次々と自分の家庭を持って父親・母親になっていく姿を見て寂しさを感じながらもそんな皆の背中を押す曲としてピアノ、バイオリン、チェロのみのAcoustic ver.で歌われました。

自分は1日目は後方ドセンターの座席だったのですけど、この曲、牧野さんはピアノを弾くのでステージ正面の席に座っているとちょうど牧野さんの横顔を眺める形になるんですね。弦楽器とピアノの甘美な音に身を委ねながら『横顔』を歌う牧野さんの横顔を見ることになり「なんだこれはヤバいな...」とマジでときめきました。横顔は元々大好きだけどこれは無理だな、好きになってしまう。儚げなメロディに乗る牧野さんの切なくも力強さのある歌声が印象的でした。何と言うか、母性的な強さだった気がします(他意はないです)。

2日目はフルバンドでの披露。「1日目にAcoustic ver.を披露したので2日目はまた違うパフォーマンスを見せていきたい」とのMC。こっちも好き。一粒で二度美味しいですしそれぞれでまた違った様相を見せて面白いですよね。

 

 前述した今回の注目ポイント、もう一つはライブオリジナルのロングイントロですね。それぞれの楽曲への没入感を与える導入効果があって個人的に凄く評価したいやつです。各楽曲の世界観を描きつつ、さらに掘り下げる役割となっていて、ロングイントロが来る度に心の中で「天才〜〜〜」と叫んでいました。

『ウイークエンド・ランデヴー』では繁華街の一角にあるオシャレなバーで流れているミュージックかのような小洒落たイントロの伴奏で楽曲の世界観を演出。この曲はウキウキになれるので好きです。歌ってる時の牧野さんの表情もウキウキって感じの表情で更にウキウキのウキ。楽しい。この曲らしい声の弾み方とかが以前より更に良くなってて驚き。2日間通して世界で一番良い(諸説あり)歌いっぷりでした。

アルメリア』では穏やかな海辺を思わせる波の音を聴きながら、1フレーズずつ、ゆったりと、波の音にこだまするように伴奏なしでAパートを歌い上げる。これ本当に痺れましたね。こういうの大好き、超好き。セトリでスピラーレの次だったのも流れがすごく良かった。というかスピラーレアルメリア→横顔の順番なのが「やっぱアルメリアはそういう認識で良いのか...?」って感じで何か示唆的なものも勝手に感じましたね。更に1日目はその後にWABWなので、前述した通りのWABWへの自分のイメージもますます補強されてたりのコンボでした。

アップテンポな『Reset』では、段々と強く響いていくメロディで会場の雰囲気をガラッと変える。ロングイントロが閾値を超えるとそこから一気に氷解するかのように通常イントロへ繋がるところが凄く気持ち良くて好きです。サビの入りと同時に一気にライトアップして光が降りてくる照明演出も楽曲の世界観にマッチしていて良し。この曲、生のフルバンドで化けてまた違う世界を見せてくれるんですよね。

 

以下なんか雑多に。

上で挙げてないので個人的に拾えて嬉しかったのは『もどかしい世界の上で』(1日目)と『ジャスミン』(2日目)。もどかしい世界の上で がとにかく好きな楽曲だったので1日目に聴けてめちゃくちゃに感謝。ジャスミン牧野由依の貴重な低音が聴けるので最高。他の楽曲の歌唱とのコントラストも楽しめます。

 

そして2日間でダンスパートのスタート曲となった『Colors of Happiness -Rainbow Mix-』。これがマジでかっこいい。一番好きなのは1番Aメロの「冷え切った空に〜」の後に入るフィンガースナップ音に合わせて頭上で指パッチンする振り付け。音ハメが気持ちいいしダンサーとこの振り付けが揃うととてもかっこいい。ダンスがそこそこ激しめですがこの曲のストーリーにある苦悩や葛藤といった感情を上手く振り付けで表現していて、EDM調だけどミュージカルのようなパフォーマンスで面白かったです。また表現の幅が広がってる...。ダンスパートへの移行曲となっていたのでこの曲で衣装チェンジとなっていたのですが、ラベンダーカラーの衣装が可愛かったですね。

ダンスパートだと『Brand-new Sky』がやっぱり強いかなあ。EDM調のLive ver. が純粋に音楽として好き。これは本当に音源欲しいですね。

 『secret melody』のLive ver. はドラムですね。ドラムの誇太郎さんの圧倒的な迫力にやられます。迫力ある伴奏とは対照的なアウトロのラストのキーボードソロも好きです。この曲は音楽に包まれる体験をするというか、そんな抽象的な世界観(?)が魅力だと思っています。最近毎回やってる気がする。

 

そしてやっぱり最強のアンセムは『アムリタ』なんですね。牧野由依の不動のアンセムだと思っています。フルバンドでの伴奏の大迫力もさることながら、牧野さんの歌唱の熱量も凄まじくて痺れた。アムリタはしっとりな弾き語りも好きですが、フルバンドで身体に流れ込んでくるパワーなメロディーに身を打たれるのもたまらないですね。アウトロの泣きのギターが好きすぎる。復帰ライブとなる今回のコンサートライブで牧野由依を語る上で外せないこれを披露してくれて良かった。

 

あと楽しかった曲は『ワールドツアー』と『Cluster』。

どちらもコンサート・ライブ定番曲ですが、一日目はステージセンターとゼロズレだったのでサビの指差しが凄く気持ちよくて一人で快感に浸っていました。

二日目は最前席で、ワールドツアーで牧野さんとほぼゼロ距離でSay Helloできて楽しかった...。めちゃくちゃ目が合うので「もう好き~~~」ってなってました(キモオタ)。牧野さんの位置が遠い時に某コンテンツでお馴染みのダンサーであるmomocoさんの方にSay Hello振ってみたら凄く良い笑顔で返してくれて、それ以降も爆レスで楽しいがすぎた...。momocoさんいつもありがとう。過去一楽しかった。お腹いっぱいです、ごちそうさまでした。

 

 アンコール前ラストの『ハウリング』、セトリの最後に来ることは割と読めてましたけど、この曲で締めるのが凄く気持ち良いんですね。ライブで体感してからより一層「良い曲だな」と思えました。響き合って奏で合って高めあえたので満足です。

正直、ライブで観客に歌詞を歌わせるフリが個人的にそんなに好きじゃなくて(観客の声を聴きに来てるわけではないので)、観客にちゃんと広まるかも疑問だったので当日までは「これいる?」って思ったりもしたけど実際やってみると楽しかったし、牧野さんから受け取るだけじゃなくて牧野さん本人が望む形でこちらから何かを返せるのなら...ってことで全力でやってました。復活と再スタートのための通過儀礼みたいな意味合いもあったと思うので、今となっては無事に「これはこれで良かったなあ」と思えています。最悪自分が浮くことまで覚悟してたけど結構ちゃんと揃ってて、なんだかクサイようだけどやっぱり感動しちゃうんだな...。歌唱は一日目よりも二日目の方がもっと伸びていた印象。そして今も僕の脳裏に焼き付いて離れないのが2日目、ハウリングを歌い切った牧野さんが後ろに振り返った時に満ち足りたような笑みをたたえた横顔が見えちゃったんですよね。その時の僕の席が席だったから見えた裏顔みたいな感じでこれはちょっとズルいかもしれないけど、あの時の笑顔が本当の成功を証明していたかのように思えてずっと忘れられずにいます。

 

オーラスの『それはきっとボクらしく生きる勇気』、一日目は涙堪えながら聴いてたんですが二日目は笑顔で聴けました。今回のコンサートライブ二日間通して言えることなんですけど、一日目はやはり「牧野由依」の復帰&再スタートを告げる公演であるというイメージがあったのに対して、二日目は純粋で真っ直ぐな牧野由依のパフォーマンスが見られた公演だったと思います。

 

ここまで散々言いましたけど、やはり「一日目で過去を乗り越え、二日目はその先の未来を見せた」というのが僕の中での今回の公演の総括になります。

二日目のMCで「これからもアップデートし続ける牧野由依でいたい」と言っていた通り、現在の最高のパフォーマンスを見せながらもその先の進化をも見せてくれるようなステージだったのが本当に「最高!」の一言でした。

再三繰り返しちゃうけど本当にめっちゃ楽しかった。セトリも強かった。牧野由依への入り口ってツバサだったりARIAだったりNHKだったりその他にも色々あると思うんですけど、今回のセトリは誰にでもどこかしら心の琴線に触れるものがある構成になっていたんじゃないでしょうか。少なくとも僕は公演中ずっと心の琴線に触れ続けて一生ブルブル共鳴していました。ダンスパートも板についてきましたし、次にそれがあるライブをやる時はsynchronicityがまた聴きたいですね。

 

最後になりますが、今までの不安を吹き飛ばすかのように二日間通して本当に良い公演を見させていただいて、牧野さんをはじめ全てのメンバー・スタッフさんありがとうございました。自分も牧野さんを見習い転んでもタダじゃ起き上がらない不屈の闘志で進化し続ける人間になれるよう精進します。たぶん。

それではまた。